2008年 03月 20日
私はA高校の教師(あるいはA社の記者)。 近くのB高校に研修に来ている(あるいは取材に来ている)。 ここに来る前に、先輩教師(あるいは記者)が「あそこの剣道部は昔大変なことがあったからなあ・・・」みたいにつぶやいていたことをふと思い出す。 B高校は結構古くからある伝統校で、夜間定時制もある。 現在の生徒はかなり質が低下していて、金髪のヤンキーもいるようなバカ学校に成り下がっているが、自由な校風で多くの生徒は素直で陽気に学校生活を送っている様子。 コンクリート造りの古い校舎は大きく、2棟が各階の渡り廊下でつながっており、その渡り廊下の脇にその棟の階段がある。 階段はやたらと幅が狭く、しかもなぜか手すりがない。 私は、まずここに違和感というか恐怖を感じた。 大勢の生徒が狭い階段を手すりにもつかまらず行き来しているのだ。 私が足をすくめていると、後ろからヤンキーがわざとぶつかってきて、あやうく下に落ちそうになるなど、和やかな雰囲気の中に小さな恐怖が溶け込んでいるのだ。 校舎を見学していると、陽気な女子生徒が数人取り巻いてきて、自分たちのクラブを紹介したいという。 私は案内されるままついていくと校舎の一番下(地下)にある部室に案内された。 その部室には「剣道部」と書いてあった。 しかし、剣道場には似つかわしくないようなテーブル・・・というようりバーカウンターのようなものとソファ(あるいはスツール?)が置いてあり、何でこんなものがあるのかなあと考えていると、 突然、メイド服に着替えたさっきの女子生徒たちが「ご主人様~」などと奇声を上げながら取り囲んできたので、こりゃまずいと思った私は慌てて階段を駆け上ってこの場から逃げようとした。 メイドだけでなく、動物の着ぐるみたちが数人追いかけてきたが、後ろから 「あの話はしちゃダメだよ!」 という先輩らしき生徒の声が聞こえたような気がした。 リス(の着ぐるみ)に捕まってしまった私は、しぶしぶ部室に引き返した。 ほとんどの生徒は制服に着替え終わっていて、少し安心した。 すると、突然1人の生徒が 「来てる!」 と皆に注意を促すように声を発した。 皆は素早く正座し、深々と床につくほど頭を下げていた。 彼女たちが礼をしている先は、部室に置かれたスチール製の事務机で、 その机上には小さな紙袋を頭にかぶったような10cmほどの人形と、その右側に小さな箱が置いてあった。 箱の側面には先が輪になった針金がくくり付けられていて、5cmほど伸びて小刻みに震えていた。 私は何が起きているのかわからず箱を見つめて立ちすくんでいたが、 後ろの方にいた生徒が小声で「見ないほうがいいよ」とつぶやいた。 やがて針金の振動が消えると、伸びていた部分が勝手に収縮し、箱の側面に静かに巻き戻った・・・・・。 先輩は十数年前の剣道部の事件について話し始めた・・・・・ 私はその内容をここに書く気にはなれない。 自宅に戻った私は、どうしてもこの事件と自分のモヤモヤとした気持ちを抑えきれず、自分のホームページに設置してある掲示板に、この剣道部の事件を匂わせるような書き込みをしてしまった。 翌朝、その書き込みに対し、驚くほどのレスが付けられていた。 某巨大掲示板では、この事件はある程度有名らしく、そのことに触れるなというような書き込みや、その事件について何百行と解説されたコメントや、以前にB高校を取材したテレビ番組の動画が紹介されていたり、「やったのは○○だ!やったのは△△だ!」と次々に名前を連呼する音声がリンクされているなど、私は怖ろしくなってきた。 研修(あるいは取材)は数日続いていたが、剣道部の部室と、あの女子生徒たちのことがいつも気にかかっていた。 そしてまた、誘われるままにあの部室を訪れてしまった。 「また来てる!」 皆はサッと正座した。私も自然と正座をしていた。何人かの女子生徒はそんな私を憂いをもって見つめた。 針金はまた小刻みに動き、そして元に戻った。 顔を伏せたまま、1人の子が部長(らしき生徒)に「もういいですかね?」と聞いた。 目を伏せていなかった私は机の上の紙袋をつけた人形が小さくうなずくのが見えた。 私は、女子生徒たちがこの一連の現象を肯定的に受け止めていることに、なぜか好感を持っていたが、この人形のうなずきは恐怖支配というか呪いのように感じ、少しの憤りを覚えた。 しかし、普段は陽気な女子生徒たちと、この「人形の先輩」のことを想うと、神秘性と哀しみも感じていた・・・・ キャスト 私・・・甲本雅裕 女子生徒・・・多部未華子など 先輩・・・佐野史郎(ホントは実際の職場の先輩・笑) というような夢を見たので、忘れないうちに書いてみました(笑) ジェットシティの都市伝説としてどうでしょうか、ダメでしょうか(^_^
by dokurozaru
| 2008-03-20 09:06
| 迷宮都市
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『ドクロの心臓』は俺がカッコイイと思う人、マンガ、映画、ロックなどを混ぜ込んだ架空物語を造形して遊ぶ世界です。マイオリジナル同好会・小林誠同好会 by dokurozaru カテゴリ
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